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施工管理雑感~36年間のゼネコン勤務から得た個人的見解・所感として~


<目次>

[ はじめに ]                                         

1.施工計画と施工管理                                 

 1-1.工事着手時の計画書類等について                     

 1-2.施工管理の定義                                 

2. ゼネコンの役割・業務                                

3.管理項目別実施例紹介                               

 3-1.品質管理(Q)                                    

 3-2.原価管理(C)                                    

 3-3.工程管理(D)                                    

 3-4.安全管理(S)                                                                              

 3-5.マネジメント(M)                                  

4. 雑  感(思い付いたままに)                             

 4-1.官庁工事と民間工事                                

 4-2.地場と中央大手                                   

 4-3.危機管理                                       

 4-4.三竦み(すくみ)                                   

 4-5.現場で働く人々(重層関係・工種毎・出向者の現場管理業務)      

 4-6.現場見学会で思う事                                

 4-7.評価と人事                                      

 4-8.後進の育成と組織                                    

 4-9.細分化・専門化とMANAGEMENT能力                    

 4-10.ONE  OF  THEMと無名碑(人々の心の中に残る仕事)   

 4-11.心に残るいくつかの言葉・事                          

5.「まとめ」として



【はじめに】

 本寄稿文(平成23年11月19日付)は、(公社)日本技術士会登録 九州地域自治体等業務支援技術士センター(TESPEC)の研鑽会において、数少ないゼネコン出身者に経験談を話して欲しいとの要請を受けて講演したものである。

 36年間のゼネコンでの経験を一まとめにするのは難しく、タイトルを「施工管理雑感」と曖昧なものとしたが、「施工管理についての実施例とその過程で体験したさまざまな事柄」を、少ない資料とぼやけた記憶を基に紹介する形とした。又内容には、多少の偏見と独断又は勘違いが見受けられるかもしれない。この事は、同じ業界でも育った環境・経歴により当然生じるものだと思われるので、最初に断りを述べた。

 それから更に10数年、ICT技術の進歩は目覚ましく、改めて今回のアナログ社会の経験談ではどうかと考えた。然し近年、たまに見聞きする土木関連工事(業務の流れ)に触れた時、一つ狂えばとんでもない事に成る様な事象が散見される事を考えると、少しは参考に成るのではと思い、ここに寄稿した。


以上、 味澤泰夫 R7年1月記載



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1. 施工計画と施工管理

 工事着手時には、施工計画書と実施予算書を作成し本支店での審査委員会で審査・承認を受ける。JV工事ではJV運営委員会で審査・承認を受ける。工事中は、施工計画書を基に実施対計画の見直しを行いながら(PDCAのサイクルを廻しながら)、施工管理を行う。従って、両者を位置付けるとすれば、広義では施工管理は施工計画の一環に含まれる行為(≒事業又はプロジェクト全体の進捗管理)、狭義では施工計画作成後の実施工管理と言う独自の行為と見なされる。

1-1着手時の計画書類等について

 ●[資料-1:施工計画書目次]

1)施工計画は施工計画書としてまとめられ、その内容は以下の通りである。

施工方法(材料・重機器類・労務・手順・仮設計画)

出来形・品質管理計画[Q]

工程計画(表)・稼働率[D]

安全衛生・環境管理計画[S]


 即ち、施工管理5項目の内、「品質[Q]」「工程管理[D]」「安全管理[S]」についての基本計画が施工計画書に記載される事に成る。又、積算の資料と成る施工方法・工程表も記載されている事から、原価管理[C]」までも施工計画書に包括されている事に成る。


2)実施予算書は施工計画書をベースに作成する[C]。


3)マネジメント[M]管理は、定期・職位別に研修会・講習会受講等で全社的に計画されており、これらを基に作業所での実施は現場代理人(所長)の裁量に任されている。 


資料-1 (1) 施工計画目次

資料-1(2) 施工計画目次

資料-1(3) 施工計画目次

資料-1(4) 施工計画目次

1-2.施工管理の定義

 従って、ここでは施工管理を、『設計図書類に記載された要件を満足する構造物・製品等を完成する過程において、施工計画書を道標として実施する、必要不可欠な「品質管理[Q]」「原価管理[C]」「工程管理[D]」「安全管理[S]」及び「マネジメント[M]」等の行為である』と定義する。




2.ゼネコンの役割・業務

1)社外に対して(外向きの業務)

①土木学会・地盤工学会・日本土木工業協会(土工協)等関連学協会等の一員として、建設業の労働環境改善・生産性向上・防災減災技術向上・イメージアップ活動等々に参画し、高度強靭なインフラ整備による社会貢献を目指す。

(*)H23年4月1日より日本建設業団体連合会・土工協・建築業協会が合併し日本建設業連合会(新日建連)と成った)。

②「①」の目的達成の為、諸官公庁への各種提言・陳情。

③他業種(機器メーカー、専門工事業社等)との共同開発による新技術・新工法の開発。

④基幹連業社(名義人)への教育・指導援助。

⑤地域社会への建設業イメージアップ活動の推進。

⑥「100万人の市民現場見学会」「土木の日(11月18日)」。


2)社内に対して(内向きの業務)

 ①部門列記

 ⅰ)事務方管理部門(総務・経理・人事)。

 ⅱ)建築部門(営業・設計・積算・施工・安全)。

 ⅲ)土木部門(営業・設計・積算・施工・安全)。  

 ⅳ)環境安全部門。  ⅴ)研究開発部門。

 ⅵ)エンジニアリング部門。

     

②施工管理としての業務

 ⅰ)調査設計。

 ⅱ)施工計画(環境・安全計画とも)。

 ⅲ)積算(実施予算書、割出etc)。

 ⅳ)実施工(詳細施工計画書、工事安全打合せ、安全衛生協議会)。

 ⅴ)計画対実施フォロー(QCDS&MについてPDCA)。


③施工部門の専門性

 ⅰ)ダム、トンネル(山岳・開削・シールド・沈埋)、橋梁(コンクリート系・メタル系)、河川・港湾担当は『専門屋』。

 ⅱ)明り担当(土工事・構造物)は『浅く広くの何でも屋』。


3)工事の流れ ●[資料-2:割り掛表](仮設備費を直工に割振る参考資料)

①官庁工事

 ⅰ)公告・告示~

 ⅱ)現場(机上)説明~

 ⅲ)事前要求資料提出

 ⅳ)入札~

 ⅴ)契約 [注文書、請書、履行保証書(ボンド)等々。『工事費内訳書,工程表,VEor技術提案書等を契約図書として添付。但し、官庁によりこれ等の一部を単に参考資料として添付させるケースが多い』。『単価・総価契約(B&Q方式「割掛け表」)と総価契約」]。   

(*)最近は殆どが電子入札。


②民間工事

発注者側の規模によりマチマチであるが、公益法人並の企業であれば上記「①」に準じた流れに近いが、そうでない場合は業者の設計施工方式と成るケースが多い。又、甲乙間にコンサル・エンジニアリング会社が入る場合も多くある。


③その他(例えば)

 ⅰ)PFI

 ⅱ)PPP



資料-2 割掛け表

(仮設備費を直工に割振る参考資料)

単価内訳表

(*)上記表は公表資料であり、『単価内訳』は筆者作成の参考値である



3. 管理項目別実施例紹介(計画書・手順・仮設計画・PDCAとQC手法etc)

 施工管理(計画)実施の際のポイントは、以下の様に当り前・些細な事である。

(1)工事数量内訳書・特記仕様書等による工事内容の確認。

(2)設計・施工条件の明確化と仮定事項の確認(ex用地・土質条件・稼働率・土捨て場・産廃処分場・一式表示項目の内容等々について、着工前の「発注者・設計者・施工者間の3者協議」での確認は必須事項)。

(3)「甲乙協議」として想定される事項の確認と、打合せ協議書の整備。

(4)詳細施工計画書(材料・機器類・労務・手順・仮設計画)を作成する事。

(5)施工においては仮設計画・手順の良し悪しで全てが決まる事の認識[充分な現地踏査・限られた時間・正解はない]。

(6)施工中は実施対計画(歩掛・ロス率・データ)のフォローを行ない、常に目標値達成の為の見直しを心がける事(PDCAとQC手法etc)。

(7)基礎的技術力 (構造力学・水理学・土質工学・コンクリート工学)、簡易な設計手法は習得しておく事。


 以下に、順次主要実施事項を列記し、個々の管理項目で記憶に残る具体例について、その時の課題と対応例を紹介したい。

●[資料-3:水管橋仮設桟橋及び橋脚足場]


[資料ー3]:水管橋仮設桟橋及び橋脚足場・水管橋は4スパン単純桁構造で橋脚3基が河川の中の為、橋脚3基は仮設桟橋による施工と成る。


課題1:バブル全盛期で仮設鋼材特に「覆工板」が確保できない。

課題2:作業構台込みで約2,000m2の仮設桟橋と橋脚3基を実質3ヶ月半で仕上げる。

対応1:覆工板の代用品として「敷鉄板(1.5×3m、t=25mm)」を使用する大幅な設計変更を行った。

対応2:設計変更により生材の使用が多く成るが、結合は極力狭締金具による。


 支柱とブレース材、覆工受桁と覆工桁受を狭締金具(ブルマン)で連結する事により現場作業(溶接作業)が短縮され、工期短縮を計った。

 又、支柱をレベルに切り揃えその上にプレートを溶接し更にその上に覆工受桁を溶接する手順を、覆工受桁を支柱からずらし、覆工桁受(溝型鋼)の上のプレート上に載せる手順に変える事により、支柱切り揃えの手間を省いた。


対応3:橋脚施工では、締切工撤去と構造物施工が同時に施工可能と成る様工夫した。

3ブロック打設時にフォームコネクターをコンクリート内に埋め込み、4・5ブロックをブラケット上からの足場利用で施工する事により、土留め支保工撤去も並行して施工出来工程上10日~14日の工期短縮を可能とした。


3-1.品質管理(Q)

1)主要な使用材料に対しての品質管理

①生コンクリート

 ⅰ)プラントの選定(JIS工場、ISO取得、生産能力、運搬距離etc)

 ⅱ)配合決定の為の試験練と,供試体強度試験立会

 ⅲ)工事中に於ける,現場管理試験

 ⅳ)プラント出荷時に於ける印字徴収

 ⅴ)打設計画(打設量,形状,直打,ポンプ車)と養生管理(夏季・冬季・雨天時)

 ⅵ)ひび割れに対する対応。

(*1)最近の高強度コンクリート(35N/mm2以上)の管理。

(*2)生コン組合とアウトサイダー。


②鋼材(特に棒鋼・鋼線に対して)

 ⅰ)ミルシート

 ⅱ)仮置き場での養生管理

 ⅲ)継手(重ね継手長、圧接径etc)

 ⅳ)被り、ピッチ

 ⅴ)結束線、段取り筋(コンクリート打設前の清掃)

(*1)特にスラブに於ける配筋手順。 ●[資料-4:段取り筋]

(*2)鋼材の価格変動傾向。


③その他として

 ⅰ)アスファルト

 ⅱ)仮設鋼材


資料-4 段取り筋(スラブに於ける)

2)土構造物・採石基礎等に対しての品質管理

盛土・埋め戻し土

 ⅰ)試験施工と室内試験(転圧機械・回数等と管理値の関係式、締固

   め度)

 ⅱ)締固め度(砂置換法・RI等による密度管理・キャリブレーションetc)

   ●[資料-5:突き固め試験]

 ⅲ)簡易測定器具による強度確認試験(CPT,簡易平板載荷試験K値,

   衝撃式 地耐力測定器,土壌硬度計etc)

 ⅳ)最終確認試験

(*)突き固め試験とキャリブレーションテスト。


砕石基礎等

 ⅰ)試験施工と室内試験(転圧機械・回数等と管理値の関係式)

 ⅱ)簡易測定器具による強度確認試験(簡易平板載荷試験K値,簡易  CBR,衝撃式地耐力測定器etc)

 ⅲ)最終確認試験


資料-5 突固め試験

地盤改良等

 ⅰ)現場試験施工と室内試験結果の関係式を確認(特に表層混合工法)。

 ⅱ)施工中の簡易試験と最終確認試験との関係を事前に精査する事。

 ⅲ)計算上の圧密沈下量と実測沈下量。

 ●[資料-6:双曲線法(圧密沈下量予測)]

 ⅳ)所定の強度・圧密度等確保した事の各種確認試験(CPT,qu &ΔC,U他)

 ●[資料-7:プレロードによる地盤改良工法手順例]


資料-6 双曲線法(圧密沈下量予測)

資料-7 プレロードによる地盤改良工法手順例

3)動態観測としての(又は「を通しての」)品質管理

①沈下・水平変位(地盤改良,ヒービング,ボイリングetc) 

②ひずみ計・傾斜計(地すべり,地中変位)

③ひずみ計・ロードセル(発生応力,変位,ロックボルト,PC鋼材) 

④内空変位(トンネルロックボルト)

  (*1) 先入観を持たず、有のままを事実として捉える事。又、日常業務として管理出来る簡便な方法を(外観も含め)決めておく事。

(*2)計測・観測をする目的と不測事態発生時の対応を考慮して おく事。

(*3)現在、二次圧密に関する実験・調査研究報告多数あり。


4)出来形管理 

①通常の外形寸法。XYZ座標及びレベル。

②竣工時に見えなくなる物の管理(地下・水中・コンクリート内etc)。

③中間・竣工時に於ける写真管理。


(*1)管理基準値の捉え方。(絶対か。表に出る物と出ないもの。業者負担。)

(*2)基礎杭の位置がずれたらどうする。(ex.著しく傾斜した支持層) 


 3-2.原価管理(C)[個別工事と全体、フィードバック(PDCA)] 

 1)元見積と実施予算書(「付表」の併用、標準とMAX) 

 2)割出と下請契約(ユニットプライスと歩掛) 

 3)未決(既決)調書作成と決算予測(出来高30%、50%、80%) 

(*)マニュアル・標準化のメリットと弊害。


3-3.工程管理(D)[個別工事と全体、フィードバック(PDCA)] 

1) マスター工程表(個別工事の集計表)

2) 毎月・毎週の工程管理とCP(クリティカルパス)の確認 

3) 工事安全衛生打合せ(当日作業の進捗状況と翌日の作業内容及び 安全指示事項の確認) 


3-4.安全管理(S) : 特に、全てにおいて形骸化させない事が重要。

1)災害防止協議会(統括安全衛生責任者である現場代理人及び関係連業者の代表者・現場代理人の責任は重大である) 

2)工事安全衛生打合せ。新入場者教育。

3)朝礼時のKYKとヒヤリハット(誰もが経験している、恥ではない) 

4)安全パトロール(厳しい指摘と講評そして確認)と専任者

5)事故と災害、その後の対応(起った事は仕方がない、だから日頃から嫌われ役の厳しさが必要)。有休災害と不(無)休災害。監督署の指導と是正勧告。経営審査事項(経審)評価項目。

6)写真管理。


3-5.マネジメント(M):[全体のバランス感覚]

1)QCDSについて常に上位の業務をさせる事 

2)小さな工事でも若い内に経験させる事 

3)大規模工事(ダム、大規模土工事等)の中の一担当者と小さな工事での 責任者



4.雑 感(思い付くままに)

4-1.官庁工事と民間工事及び国と地方自治体発注工事

キーマンと人脈(将を射んとすれば)。②設計変更の有無。③設計施工のリスクとメリット。④請負金額の担保。⑤発注方式の多様化。⑥国と地方自治体発注方式の相違、煩雑化により甲乙とも物心ともに浪費と成っていないか。技術能力の審査,提案技術の審査・評価は中立・公正に実施されているか(客観性・結果公表etc)。


4-2.地場と中央大手

1)地場建設会社のメリット・デメリット

①官公需法。②設計図書に忠実な施工。③専門工事業者との人脈効果(だから、何でも出来る)。④地元である事(地域社会への貢献度大)。⑤一般・公募競争入札等による大手参入で受注機会減少。⑥大規模工事での元請としての受注機会減少。⑦意思 決定が迅速。


2)中央大手のメリット・デメリット

①大規模・特殊工事の施工。②トラブルへの柔軟な対応。③総合力対応。④地元優先による受注機会減少。⑤本社支店組織維持の為の一般管理費大。⑥基幹連業社(名義人)の経費。⑦組織の重層化に伴う意思決定が遅い。


3)発注者側の対応

①地元優先。②地元である(先の事)。③中央大手に発注する事 の安心感。④議会対策


4-3.危機管理

①QCDS毎に「最悪の条件と許容出来る範囲」の設定と対策の立案。

特に、電気・電力・ガス・上下水道絡みの都市土木工事では、関係各機関業者間での十分な打合せ協議を考慮した施工計画立案と、工事中における定期的な工事安全打合せの場が必須である(「工事安全衛生協議会」)。


②全てにおいて人命の優先(職員・作業員・第三者とも)。


③最終的成果品(納品)の品質確保。


④自然災害への対応(100mm/Hrの雨なんか日常茶飯事。現場・工種・地域等によって予想される災害は異なる)。


⑤やる事を全てやったら、危険な状況には入り込まない。事後対応は落ち着いてからでも遅くない。


⑥「杞憂」ではなく、可能性の問題。只、その可能性を誰がどのような基準・プロセスで決めるのか。


⑦マニュアル・標準化に伴い、不測事態想定のレベル・対応が疎かに成っているのではないか。本人は勿論先人達の(特に失敗の)経験の記録に習う事も重要ではないか。(過去に「失敗例集」が作成されたが、今何処に?)

              

4-4.三竦み(すくみ)と地元の人々

 ①発注者・受注者・地元。②コミュニケーションの良不良如何である。 ③着工前と工事中と竣工後。


4-5.現場で働く人々(重層関係・工種毎・出向者の現場管理業務)

 1)普通作業員(とは)。 

 2)(型枠)大工。鉄筋工。鳶工。(重機)運転士。鍛冶鉄工。電工。

 3)専門職である事のプライド(あんたにゃ出来ないだろう、やれるものなら---)。

 4)過去の経歴と親方(社長)の心意気。

 5)ヨイトマケの歌(誰の為に何の為に働くか,家族,3K,国民生活の向上)

 6)労働環境の改善と(給与も含む)待遇の改善は可能か。(重層関係がネックなのか、重層関係は必然なのか、見直しを可能とする手立てはないのか。実態は充分把握されているか。)

 7)出向社員への対応(手許ではない、社員同様の教育をする事が礼儀)


4-6.現場見学会で思う事

1)目 的

 ①一般事項(知りたい事)

 ⅰ)工事発注の背景。ⅱ)主要工種。ⅲ)全体及び個々の工事費と工期。ⅳ)入札方式と落札率。ⅴ)工事費内訳書の有無とその位置付けetc。


 ②特に注力する事項(知りたい事)

  ⅰ)新技術・工法について(従来工法との工費・工期・安全上の比較)。

  ⅱ)施工上難解であった工種とそれに対する対応。 ⅲ)VE提案。

  ⅳ)設計変更の有無と役所との交渉経緯。


2)見学会での心構え

 ①知りたいポイントを絞り込む事。

 ②自分が経験した同種工事と比較する目を持つ事。

 ③危険な行為はしない事。

 ④現場見学会を引受けてくれた事への感謝の気持ちを持つ事。


4-7.評価と人事 

 1)徳のある人間には高位を、成果を上げた人間には報酬を。

 2)主観を少なく客観を多くが基本、だが難しい。

 3)どんな人事でも、ビクともしない企業とは。(官庁は不滅であるが)。

 4)バッテン主義と減点主義。

 5)誰もが納得する、評価・人事等あり得ない。

  (*):『生産性・収益性』『コミュニケーション能力』『業務遂行能力』

      『部下育成・教育能力』 『社外・部外活動』『情的感性』


4-8.後進の育成と組織

 1)OJTが基本である。

 2)多少のリスクは覚悟して、常に上の業務をさせる事。

 3)大規模工事(ダム、大規模土工事等)の中の一担当者と小さな工事での責任者。

 4)優秀な社員とは。職位毎に要求される能力は異なる。

 5)凸凹の組織。

 6)いつまで経っても部下が出来ない現実。


4-9.細分化・専門化とMANAGEMENT能力

 1)研究開発(R&D)による個々の技術発展は目覚しい。

 2)木を見て森を見ず。

 3)指導者の役割は極めて重大である。背景・目的・プロセス。

 4)研究発表会の事。(卒論修論・土木学会・地盤工学会・大学の教授)


4-10.ONE  OF  THEMと無名碑

 ( 人々の心の中に残る仕事 )

 1)定礎式とそれぞれの無名碑。

 2)とは言っても誰かに。家族旅行。ささやかな記録を。

 3)定年退職後の夫婦旅行。


4-11.心に残るいくつかの言葉・事

 1)誰でも自分の事は棚の上にあげる。(但しあげる量が多いと---)

 2)正しく間違う。

 3)君がいつも反対意見を述べてくれるからこそ-----。

 4)説得は難しい、如何に納得させるかが大切だと思うんです。

 5)関心を持って干渉しない。

 6)タフでなければ生きていけない、やさしくなければ生きる資格がない。

 7)お互いに見せ合った恥の分だけいたわりと温かみが生まれたんじゃないか。

 8)家計や企業の行動規範には効用・利潤最大化と並んでコミットメント(使命感)とシンパシー(共感)があると言う。例えば、環境を守ると言う使命感に駆られて行動する人がおれば、他人への思いやりが私利私欲を抑え込むと言う事例も少なくない。

 9)(対策を)やったから崩れなかったのか、やらなくても崩れなかったのか。税金の無駄遣いと言う名目のもと、「会計検査」が全て。

10)いつの間にか、けんかをして厳しく怒ってくれた先輩の真似をしている。

11)自信と本人の成長に繫がる程度のうぬぼれは必要だが---。

12)隠れた才能は開花するか。早期退職者優遇措置により、上(有能な人材)がいなくなった後、組織は弱体化したか。1:8:1、又は2:6:2の組織。

13)モチベーションを上げる為の方策(又はインセンティブ)。

14)「今の若い連中は‐‐」と昔は言われたが。

15)「一式」表示が多い工事費内訳書等を補正する為に、一時期施工条件を明示する様に成ったが、ここに来て又「一式」又は「甲乙協議」で曖昧に成っていないか。

16)興味あるプロジェクトとして、「地下ダム(ICT技術による完成度が高い)」「無人化施工(GPS・3Dカメラ・ラジコンの3点セットが基本)」。

  

 ここ10数年で、何れもICTによる技術革新は著しい。


資料-8 地下ダム

 (*)内閣府沖縄総合事務局土地改良総合事務所・九州農政局喜界島農業水利事業所「地下ダム概要」他資料より一部抜粋

5.「まとめ」として

 ここでは、施工管理を「1-2」の如く定義し、「3」に主要管理項目を列記した。そしていくつかの具体例とその課題・対応について紹介した。施工計画・管理と一口に言っても、それを説明する場合、一つの工事 を例に挙げて説明する事は容易であるが、飽く迄も一工事での施工計画管理報告会的な領域を出ない。そこで施工計画・管理を少しでも幅広く(普遍性を持ってと迄はいかないが)紹介する方法はないかと思い今回の様な形を採った。又、タイトルを「施工管理雑感」と曖昧な表現にしたのは、ゼネコンの中で多くのプロジェクトに参加し、色々な人達と交流する内に何となく感じた事を紹介しておきたいと思ったからである。結果として「雑感」部分が多く成ってしまったが。    

 

 個人的には「計画・設計・積算・実施工」と土木屋としては、何らかの形で多くの業種に浅く広くではあるが関ってきた。建設部門の人達にとっては、何等新しくも無く、又当たり前の内容であるが、その中で自分が経験した事を紹介すると言った形で、施工管理について紹介したつもりである。施工計画・管理の基本は「3」の冒頭に記載した「7項目」だと考えている。 


要約すれば、

 ①発注者・設計者の意向を充分に理解し、PDCAを廻して行く事である。

 ②現場は常に動いている。時間との戦いの中で、設計施工条件の変化 変更・自然現象の変化等に迅速に対応し、如何に目標を達成して行くか。

 である。凡例の、図面写真等鮮明さに欠けた資料で分かりにくかったと思う。この事は準備不足でありお詫びしたい。




【執筆者】

味澤 泰夫(味澤技術士事務所 代表)

技術士(建設・総合技術監理部門)

一級土木施工管理技士

(日本技術士会九州本部/福岡)



【執筆者の経歴】



※本記事のご利用にあたって

本記事の内容は執筆者個人の見解に基づくものであり、日本技術士会の公式見解ではありません。また、記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。ご利用者様自身の判断と責任において、ご活用頂くようお願いいたします。